実家の片付けを業者に頼む|費用の内訳と失敗しない選び方

実家の片付けを業者に頼む|費用の内訳と失敗しない選び方

30秒まとめ

  • 「片付け」「遺品整理」「不用品回収」は扱う範囲が違う。まず自分が頼みたいのがどれかを決める
  • 料金体系は間取り別のパック制・トラック積み放題・時間制の3つが中心。比べるときは同じ条件で揃える
  • 家庭から出た廃棄物を運ぶには市区町村の許可が要る。ここを確認しないと、あとで自分が事情を聞かれることがある
  • トラブルの多くは「見積もりに何が含まれるか」の食い違い。書面で範囲を確かめておく

実家の片付けを自分だけで終わらせるのは、想像以上に大変です。とくに遠方に住んでいる場合、何度も通うだけで交通費と時間がかさみます。業者に頼むという選択肢が出てくるのは自然なことです。

ただ、いざ調べてみると業種の呼び名がいくつもあり、料金の出し方も会社によってばらばらで、どこをどう比べればよいのか分かりにくい分野でもあります。

この記事では、業者の種類と料金体系の違い、見積もりで確認したいこと、そして許可の確かめ方を整理します。金額そのものの相場については実家の片付けはどこから?順番と費用の目安にまとめてあるので、そちらとあわせて読んでください。

目次

「片付け」「遺品整理」「不用品回収」は何が違うのか

まず、頼む相手の種類を整理しておきます。名前が似ていますが、引き受けてくれる範囲が違います。

種類主に引き受ける範囲向いている状況
不用品回収指定した物を運び出して処分する捨てるものが決まっている
生前整理・片付け仕分けから運び出しまで手伝う親が存命で、一緒に進めたい
遺品整理仕分け・搬出・簡易清掃・供養の手配まで親が亡くなり、家をまるごと整理する
ハウスクリーニング空になった家の清掃売却や賃貸に出す前

実家じまいで多いのは、家をまるごと整理する遺品整理か、仕分けを手伝ってもらう片付けです。すでに捨てるものが決まっているなら不用品回収でも足りますが、「何を残すか決まっていない」段階なら、仕分けから入ってくれる業者のほうが向いています。

なお、遺品整理を扱う会社の多くは片付けも不用品回収も引き受けます。厳密に業種を選び分けるというより、自分が何をどこまで頼みたいのかを先に決めておくほうが、見積もりの精度が上がります。

料金体系は大きく3つに分かれます

金額を比べるときに混乱しやすいのが、そもそも料金の出し方が会社ごとに違う点です。主に次の3つがあります。

  • 間取り別のパック制……1Kいくら、3LDKいくら、と部屋数で決まる。総額が読みやすい
  • トラック積み放題……軽トラック1台、2トン車1台といった単位。物量が読める場合は割安になりやすい
  • 時間制・人工(にんく)計算……作業員1人あたり何時間でいくら。部分的な作業に向く

ここで気をつけたいのは、パック制でも積み放題でも「含まれないもの」があることです。冷蔵庫やエアコンなどの家電、ピアノ、金庫、仏壇などは別料金になることが珍しくありません。庭木や物置の解体も、たいてい範囲外です。

そのため、A社の「3LDKパック◯万円」とB社の「2トン車積み放題◯万円」を並べても、そのままでは比べられません。同じ物量・同じ作業範囲で見積もってもらうのが、比較の前提になります。

同じ家でも、見積もりの額が変わる理由

複数社に頼むと、同じ家なのに金額が大きく違って戸惑うことがあります。多くは次の要因で説明がつきます。

  • 物量……最も効くのがここ。押し入れや天袋、物置の中身は見落とされやすい
  • 搬出のしやすさ……階数、エレベーターの有無、階段の幅
  • 前面道路の幅と駐車……大きなトラックが横付けできないと、小分けに運ぶぶん人手と時間がかかる
  • 買取の有無……値のつくものを引き取ってもらえる場合、その分が差し引かれることがある
  • 時期……年度末や連休前後は混み合い、日程の自由がききにくい

安い見積もりが出てきたときは、何が省かれているのかを確認してみてください。値付けが適正なこともあれば、あとから追加される項目が抜けているだけのこともあります。

逆に、押し入れの中まで見て回ってから金額を出す会社は、見積もりが高めに見えても後から動きにくいという意味では読みやすい相手です。

見積もりで確認したい5つのこと

見積書を受け取ったら、金額の下にある条件のほうを先に読んでください。トラブルはたいていここに書かれていない部分から起きます。

  • 追加費用が発生する条件……どういう場合に、いくら増えるのか
  • 処分費が含まれているか……運び出しだけの金額なのか、処分まで込みなのか
  • 買取の扱い……買い取ってもらえる物の査定額が、どこに反映されるのか
  • 作業範囲……庭、物置、駐車場、簡易清掃はどこまで入るか
  • キャンセルの条件……いつまで無料か、以降はどのくらいかかるか

「一式」とだけ書かれた見積書は、あとから解釈が分かれやすくなります。内訳を分けて書いてもらえるかを頼んでみると、その会社の姿勢も見えてきます。

比べる相手は2〜3社あれば十分です。自分でやるつもりの場合でも、一度見積もりを取っておくと家財の総量がつかめるので、自力でやり切れる規模なのかどうかの判断材料になります。

許可を持っているかを確かめる

ここは分かりにくいわりに影響が大きいので、少し詳しく書きます。

家庭から出た不用品は、法律上は一般廃棄物にあたります。これを他人から集めて運ぶには、市区町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要とされています。産業廃棄物の許可は事業所から出る廃棄物のためのもので、家庭ごみには使えません。

また、買取をともなう場合は、都道府県公安委員会の古物商許可が必要です。「不用品を買い取ります」と案内している会社なら、この許可を持っているはずです。

なぜ確認したほうがよいのかというと、許可のない相手に渡した廃棄物が不適切に処分された場合、依頼した側が事情を聞かれることがあるためです。安く引き受けてもらえたつもりが、思わぬ形で戻ってくることになりかねません。

確認の仕方は難しくありません。会社のサイトに許可番号が載っていることが多く、載っていなければ「一般廃棄物収集運搬の許可はお持ちですか」と聞けば済みます。自社で持たず、許可のある業者と提携して処分する形をとっている会社もあります。その場合はどこが最終的に処分するのかまで聞いておくと安心です。

なお「遺品整理士」は民間の資格です。持っていること自体は目安になりますが、廃棄物を運ぶ許可とは別のものなので、混同しないようにしてください。

よくあるトラブルと、避け方

多くの会社はきちんと仕事をしますが、件数が多い分だけ行き違いも起きます。よく聞くものを挙げておきます。

  • 当日になって追加を求められた……見積もり時に物量が正しく伝わっていないことが原因になりやすい。押し入れや物置も見てもらう
  • 残すつもりだった物が処分された……残す物には貼り紙をする、別室にまとめて「この部屋は触らない」と伝えておくと行き違いが起きにくい
  • 思い出の品や貴重品が見つからない……通帳や印鑑、権利関係の書類は作業前に自分で回収しておく
  • 簡易清掃の範囲が思っていたのと違った……「掃除もします」の中身を具体的に確認しておく

共通しているのは、言った言わないになりやすい部分を、作業前に書面か写真で残しておけば防げるという点です。

なお、片付け業者ではなく買取業者を家に呼ぶ場合は、別のルールが関わってきます。訪問して買い取る取引には8日間のクーリング・オフがあり、頼んでいない訪問や勧誘は禁止されています。この点は出張買取のトラブルと注意点|デメリットと呼ぶ前に決めておくことにまとめています。

遠方に住んでいて立ち会えない場合

立ち会わずに任せることもできますが、行き違いは起きやすくなります。次の3点だけでも決めておくと、離れていても進めやすくなります。

  • 作業前と作業後の写真を送ってもらう約束をしておく
  • 判断に迷う物が出たときの連絡方法を決めておく
  • 鍵の受け渡しと、作業後の施錠を誰がするか決めておく

初回の訪問見積もりのときだけは、可能であれば現地に行くことをおすすめします。会社の様子が分かりますし、家の状態を一緒に見ながら話せると、その後のやりとりが早くなります。

全部を頼まなくてもかまいません

業者に頼むか自分でやるかは、どちらかを選ばなければいけないものではありません。組み合わせるのが現実的な落としどころになることが多いです。

たとえば、書類や写真、思い出の品の仕分けは家族で進め、家具や家電の運び出しといった重くて危ない作業だけを頼むという分け方があります。粗大ごみを自治体の処理施設へ自分で持ち込めるなら、その分だけ物量が減って費用も下がります。

どこから手をつけるかという順番そのものは、実家の片付けはどこから?順番と費用の目安で整理しています。家族で受け持つ仕分けのほうで手が止まりそうなら、遺品の処分|いつから始める?捨てられない物の決め方が品目ごとの決め方をまとめています。そもそも誰に相談すればよいか迷っている段階なら、実家じまいは誰に相談する?窓口の選び方と相談前の準備もあわせてどうぞ。

ひとつだけ順序として気をつけたいのは、相続放棄を考えている場合です。家財を処分してしまうと放棄が認められなくなることがあるため、片付けの前に専門家へ相談してください。この点は実家じまいでやってはいけない失敗で触れています。

よくある質問(FAQ)

見積もりは無料ですか

無料としている会社が多いです。ただし、遠方への出張見積もりや、見積もり後にキャンセルした場合の扱いは会社によって違います。依頼する前に確認しておくと安心です。

何社くらいから見積もりを取ればいいですか

2〜3社が目安です。それ以上増やすと日程の調整だけで負担が大きくなります。金額だけでなく、家の中をどこまで見て金額を出したか、質問に具体的に答えてくれるかも比べてみてください。

貴重品が出てきた場合はどうなりますか

作業中に見つかった貴重品は、依頼者に確認して引き渡すのが一般的な流れです。とはいえ通帳や印鑑、権利関係の書類は、作業前にご自身で回収しておくほうが安全です。

仏壇や神棚も処分してもらえますか

供養の手配まで含めて対応する会社があります。別料金になることが多いので、見積もりの段階で伝えておいてください。菩提寺があるなら、そちらに相談してから決める方もいます。

買取をしてもらうと安くなりますか

値のつくものがあれば、その分が費用から差し引かれることがあります。ただし家財の多くは買取の対象になりません。大きな期待はせず、減額されたら助かる程度に考えておくほうが落ち着いて進められます。

まとめ

実家の片付けを業者に頼むときは、まず自分が何をどこまで頼みたいのかを決めるところからです。そこが決まれば、頼む相手の種類も、見積もりの取り方も定まります。

料金体系はパック制・積み放題・時間制と分かれているので、比べるときは同じ条件で揃えてもらってください。見積書は金額よりも、追加費用の条件・処分費・買取の扱い・作業範囲・キャンセル規定のほうを先に読むと安心です。

そして、家庭から出た廃棄物を運ぶには市区町村の許可が必要だという点は、ぜひ覚えておいてください。サイトに許可番号が出ているか、なければ電話で聞くだけで確認できます。この一手間が、あとの安心につながります。

制度や費用は時期・自治体・個別の状況によって変わります。実際の判断は専門家や自治体の窓口でご確認ください。

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