30秒まとめ
- お車代は僧侶の交通費へのお礼、御膳料は会食の代わりのお礼で、どちらもお布施とは別に用意するお金
- 白無地の封筒に濃い墨で「御車代」「御膳料」と書き、下に施主のフルネームか「○○家」を書くのが一般的
- 封筒はお布施・お車代・御膳料でそれぞれ分け、お布施を一番上に重ねてお渡しします
- 相場の目安はお車代・御膳料ともに5千〜1万円。遠方から来ていただく場合は実費に見合う額にすることもあります
- 寺院で法要を行う・送迎を手配するならお車代、僧侶が会食に同席するなら御膳料は不要になることが多いです
お車代・御膳料とは|お布施とは別に用意するお礼
法事で僧侶にお渡しするお金は、お布施だけとは限りません。お布施とは別に「お車代」と「御膳料」を用意することがあり、それぞれ意味が異なります。
お車代は交通費へのお礼
お車代(おくるまだい)は、自宅や法要会場まで僧侶に足を運んでいただいたことへのお礼です。電車やタクシー、自家用車など、移動にかかる費用への心づかいとしてお渡しします。
神社の神主さんに地鎮祭をお願いする場合にもお車代をお渡しすることがあり、「来ていただいた交通費へのお礼」という考え方は近いものです。書き方の型も共通する部分が多いので、地鎮祭のお車代の書き方と相場もあわせて参考にしてください。
御膳料は会食の代わりのお礼
御膳料(おぜんりょう)は、法要後の会食(お斎・おとき)に僧侶が同席されない場合に、おもてなしの代わりとしてお渡しするお金です。僧侶が会食を辞退された場合のほか、会食自体を行わない法事でも用意することがあります。
| お金の種類 | 意味 | 目安 |
|---|---|---|
| お布施 | 読経や供養へのお礼(寺院へのお布施) | 法要によって1万〜5万円 |
| お車代 | 来ていただいた交通費へのお礼 | 5千〜1万円 |
| 御膳料 | 会食の代わりとしてのお礼 | 5千〜1万円 |
お車代と御膳料の書き方|封筒・表書き・名前・裏面

お車代と御膳料は、書き方の基本がほぼ同じです。違うのは表書きの言葉だけと考えてかまいません。
封筒は郵便番号欄のない白無地を選ぶ
封筒は、郵便番号の枠が印刷されていない白無地の封筒を使うのが一般的です。二重になった封筒は「不幸が重なる」ことを連想させるとして、一重のものを選ぶ人が多いようです。
水引は付けないことが多いものの、黒白や双銀の結び切りの不祝儀袋を使う例や、地域によって黄白の水引を使う例もあります。迷ったら白無地の封筒を選ぶか、お布施の袋に合わせておくとよいでしょう。白無地の封筒は文具店のほか、100円ショップやコンビニエンスストアでも手に入ります。
表書きは「御車代」「御膳料」
封筒の表面中央の上部に、縦書きで次のように書きます。
| 種類 | 主な表書き | ほかに使われる表書き |
|---|---|---|
| お車代 | 御車代 | お車代、御車料 |
| 御膳料 | 御膳料 | お膳料、御食事代、膳部料、粗飯料(地域による) |
「御車代」と「お車代」、「御膳料」と「お膳料」はどちらを使ってもかまいません。表書きがあらかじめ印刷された封筒を使っても問題ないとされています。
名前は施主のフルネームか「○○家」
表書きの下には、施主(法事を主催する人)のフルネーム、または「○○家」と書くのが一般的です。表書きよりやや小さめの文字で書くと、全体のバランスが整います。
一方で、お布施の袋に名前を書いている場合は、お車代や御膳料の名前を省略してもよいという説明もあります。どちらかが誤りというわけではないので、お布施の袋とそろえて考えると迷いにくくなります。お布施の袋の書き方は、お布施の書き方で解説しています。
墨は濃い墨で書く
香典は薄墨で書くことがありますが、お車代や御膳料は僧侶へのお礼なので、濃い墨で書くのが一般的です。毛筆か筆ペンを使うと丁寧な印象になります。
裏面には住所と金額を書く
裏面の左下に、施主の住所と金額を縦書きで書きます。金額は、書き換えを防ぐ意味で「壱・弐・萬」などの大字(旧字体)を使うのが丁寧とされています。
| 金額 | 大字での書き方 | 一般的な漢数字 |
|---|---|---|
| 5,000円 | 金伍阡圓 | 金五千円 |
| 10,000円 | 金壱萬圓 | 金一万円 |
| 20,000円 | 金弐萬圓 | 金二万円 |
裏面の住所や金額は必須ではないという考え方もありますが、寺院側で確認しやすいよう書き添えておくと親切です。
お札の入れ方
お札は、肖像画が封筒の表側に向くように入れるのが一般的です。複数枚入れる場合は向きをそろえます。
お礼として準備するお金なので、新札を用意する人が多い一方、新札でなくてもかまわないとする説明もあります。新札が手元にない場合は、折り目や汚れの少ないきれいなお札を選べば十分でしょう。
お布施と封筒は別?まとめてよいかと渡す順番
封筒はそれぞれ分けるのが基本
お布施・お車代・御膳料は意味が異なるため、それぞれ別の封筒に入れるのが一般的です。お車代と御膳料を1つの封筒にまとめたり、お布施と一緒に入れたりするのは避けるとよいとされています。
ただし、寺院や地域によっては慣習が異なる場合もあります。菩提寺(先祖代々お世話になっている寺院)から案内がある場合は、その案内に従いましょう。
僧侶を複数お招きする場合は、人数分をまとめて1つの封筒に包み、代表の僧侶にお渡しする方法が紹介されています。
重ねる順番はお布施が一番上
3つの封筒をお渡しするときは、お布施を一番上にし、その下にお車代と御膳料を重ねます。お車代と御膳料の順番には、特に決まりはないとされています。
重ねた封筒は、切手盆(小さなお盆)にのせるか、袱紗(ふくさ)の上にのせて、僧侶から表書きが読める向きにしてお渡しします。
渡すタイミングと添える言葉
お渡しするのは、法要が始まる前のご挨拶のときか、法要が終わってお帰りになる前が一般的です。開始前に慌ただしい場合は、終わってからお渡ししてもかまいません。
お渡しするときは「本日はありがとうございました。どうぞお納めください」など、短いお礼の言葉を添えると気持ちが伝わります。会食を辞退された場合は「お食事の代わりでございます」と一言添えてもよいでしょう。
お車代と御膳料の相場の目安
お車代は5千〜1万円
お車代の目安は5千〜1万円です。移動の距離や手段によって、この範囲の中で考えることが多いようです。
菩提寺が遠方にあり、新幹線などを使って来ていただく場合は、実際にかかる交通費に見合う額にすることもあります。金額は切りのよい数字にしておくと包みやすくなります。
御膳料は5千〜1万円
御膳料の目安も5千〜1万円です。予定していた会食の1人分の料金を目安に考える方法もあり、会食の内容によっては2万円程度までを目安とする説明もあります。
どちらの金額も、寺院や地域によって幅があります。わからない場合は、親族や菩提寺の檀家さん、法要をお願いする葬儀社などに尋ねてみると安心です。
お布施の目安もあわせて確認を
お車代・御膳料とあわせて、お布施の目安も確認しておきましょう。一般的には、四十九日と一周忌で3万〜5万円、三回忌以降で1万〜5万円程度とされています。お布施は対価ではないため、地域や宗派によって幅がある点も押さえておきましょう。法要別の目安や、金額に迷ったときの寺院への尋ね方は、法事のお布施の相場でまとめています。
お車代・御膳料が必要な場合・不要な場合
お車代と御膳料は、法要を行う場所や会食の有無によって、必要かどうかが変わります。
| 場面 | お車代 | 御膳料 |
|---|---|---|
| 自宅や法要会館に来ていただく | 用意することが多い | 会食の有無による |
| 寺院の本堂で法要を行う | 不要なことが多い | 会食の有無による |
| 施主側で送迎を手配する | 不要なことが多い | 会食の有無による |
| 僧侶が会食に同席される | 場所による | 不要 |
| 僧侶が会食を辞退される | 場所による | 用意することが多い |
| 会食を行わない | 場所による | 用意するか、折詰などで代える |
お車代が不要になりやすいケース
寺院の本堂で法要を行う場合は、僧侶が移動しないため、お車代は不要とするのが一般的です。また、施主側でタクシーやハイヤーを手配したり、家族が車で送迎したりする場合も、お車代は用意しないことが多いようです。
自宅や法要会館に来ていただく場合は、お車代を用意します。僧侶が自家用車で来られた場合については、ガソリン代へのお礼として包むのが一般的とする説明が多い一方、不要とする説明も見られます。迷うときは、用意しておくと気持ちが伝わりやすいでしょう。
御膳料が不要になりやすいケース
僧侶が法要後の会食に同席される場合は、その場でおもてなしをすることになるため、御膳料は用意しないのが一般的です。
会食に同席されるかどうかは、法要の日程を相談するときに確認しておくと、当日慌てずに済みます。
会食を省く法事での御膳料
最近は、会食を行わずに法要だけで済ませる法事も増えています。会食を省くのは、参列者の負担や事情に合わせた選択のひとつです。
会食を行わない場合、僧侶には御膳料をお渡しするのが一般的です。一方で、参列者に持ち帰り用の折詰や弁当をお渡しし、僧侶にも同じようにお渡しする場合は、御膳料は用意しなくてもよいとされています。どちらの方法でも、おもてなしの気持ちを形にすることに変わりはありません。
よくある質問(FAQ)
まとめ
お車代は僧侶の交通費へのお礼、御膳料は会食の代わりのお礼で、どちらもお布施とは別に用意します。白無地の封筒に濃い墨で「御車代」「御膳料」と書き、下に施主のフルネームか「○○家」、裏面に住所と金額を書くのが一般的な書き方です。
封筒はそれぞれ分け、お布施を一番上に重ねてお渡しします。金額の目安はお車代・御膳料ともに5千〜1万円です。寺院で法要を行う場合や送迎を手配する場合はお車代、僧侶が会食に同席される場合は御膳料が不要になることが多いので、法要の場所と会食の予定が決まった段階で、どちらを用意するかを確認しておきましょう。
