御仏前の書き方|表書き・名前・中袋・薄墨の使い分けまで解説

御仏前の書き方|表書き・名前・中袋・薄墨の使い分けまで解説

30秒まとめ

  • 外袋の表は、水引の上に「御仏前」、水引の下にフルネームを書く
  • 中袋の表に金額を旧字体(例:金壱萬圓也)、裏に郵便番号・住所・氏名を書く
  • 四十九日以降の法要は濃い墨で書くのが一般的。ただし法要でも薄墨を使う地域・家庭もある
  • お札は向きをそろえ、肖像画を裏側・下向きにして入れる考え方が一般的
  • 書き損じたときは修正せず、新しい袋に書き直すのが一般的です
目次

御仏前の書き方は「外袋」と「中袋」の2か所

御仏前(ごぶつぜん)は、四十九日法要や一周忌などの年忌法要に持参する香典袋(不祝儀袋)の表書きです。書き入れる場所は、外側の「外袋」と、お札を入れる「中袋」の2か所に分かれます。

書く場所書く内容筆記具の目安
外袋の表(水引の上)表書き「御仏前」筆・筆ペン
外袋の表(水引の下)出す人のフルネーム筆・筆ペン
中袋の表包んだ金額(旧字体)筆ペン・サインペン
中袋の裏郵便番号・住所・氏名筆ペン・サインペン

御仏前を使うのは四十九日法要から

多くの仏教の宗派では、四十九日法要の前日までは「御霊前」、法要の当日からは「御仏前」を使います。浄土真宗は通夜・葬儀の段階から御仏前を使い、宗派がわからない場合は仏式ならいつでも使える「御香典」を選ぶと迷わずに済みます。四十九日の当日や、法要を前倒しした場合の扱いは、御霊前と御仏前の違いで詳しく解説しています。

なお、「御佛前」の「佛」は「仏」の旧字体で、意味は同じです。市販の袋にどちらが印刷されていても、そのまま使えます。

袋は黒白・双銀の水引を選ぶ

法要の香典袋は、黒白または双銀(銀一色)の結び切り・あわじ結びの水引が一般的です。関西や北陸などの一部の地域では、四十九日以降の法要に黄白の水引を使うこともあります。

外袋の表書きと名前の書き方

表書きは水引の上・中央に「御仏前」

外袋の表の上段中央、水引の結び目より上に「御仏前」と書きます。「御仏前」と印刷された袋であれば、書き入れる必要はありません。

名前は水引の下にフルネーム

水引の結び目より下の中央に、出す人の名前をフルネームで書きます。表書きよりやや小さめの文字にすると、全体のバランスが整います。

ケース別の名前の記入例

ケース名前の書き方記入例
個人中央にフルネーム山田 太郎
夫婦連名中央に夫のフルネーム、その左に妻の名のみ山田 太郎/花子
2〜3名の連名右から目上の人の順に全員のフルネーム右:山田 太郎/左:佐藤 次郎
4名以上代表者名に「外一同」、または「○○一同」山田 太郎 外一同
会社として名前の右上に会社名を小さく株式会社○○ 山田 太郎
代理で持参依頼した人の名前の左下に小さく「代」山田 太郎(代)
妻が夫の代理夫の名前の左下に小さく「内」山田 太郎(内)

夫婦で出す場合

夫婦で出す香典は、夫の名前だけを書くことが多いです。夫婦そろって故人と親しかった場合などは、中央に夫のフルネーム、その左側に妻の名前だけを書く連名の形にすることもあります。

連名で出す場合

連名は3名までにするのが一般的です。立場に差がある場合は右側から目上の人の順に、友人同士など立場が同じ場合は五十音順で並べます。

4名以上で出す場合は、表には「○○一同」や「代表者名+外一同」と書き、全員の氏名・住所・金額を書いた別紙(白い便せんなど)を中袋に入れます。遺族が後で香典返しを準備するときの手がかりになります。

代理で持参する場合

上司や家族から香典を預かって持参する場合は、外袋には香典を出す本人の名前を書き、その左下に小さく「代」と添えます。妻が夫の代わりに持参する場合は、「代」ではなく「内」と書くのが一般的です。

中袋の書き方|金額・住所・氏名

中袋の表:金額を旧字体で書く

中袋の表の中央に、包んだ金額を縦書きで書きます。数字の書き換えを防ぐため、「壱」「参」などの旧字体(大字)を使い、頭に「金」を付けます。末尾の「也」は付ける書き方が丁寧とされますが、省略する例も見られます。

包む金額記入例
5千円金伍阡圓也
1万円金壱萬圓也
2万円金弐萬圓也
3万円金参萬圓也
5万円金伍萬圓也

「阡」は「仟」、「圓」は「円」と書いてもかまいません。

金額の旧字体早見表

通常の漢数字旧字体(大字)
一壱
二弐
三参
五伍
十拾
千阡(仟)
万萬
円圓

金額を旧字体に変換(中袋の書き方)

包む金額を入れると、中袋に書く旧字体(大字)の表記を表示します。

円

旧字体の書き方には流儀があり、「阡」を「仟」、「拾萬」を「壱拾萬」と書く場合もあります。どちらでも失礼にはあたりません。袋に横書きの金額欄がある場合は、算用数字で書いて構いません。

金額の旧字体や「金○萬圓也」という書き方は、お祝いの袋と共通です。新築祝いの中袋の書き方で紹介している早見表と同じ字を使えます。ただし、表書きの言葉や墨の色、お札の向きは弔事と慶事で異なるため、その点は次の章以降を参照してください。

包む金額の目安は、親・兄弟姉妹で1万〜3万円、祖父母・おじおば・その他の親戚や友人・知人で5千〜1万円程度とされています。関係別・法要別の詳しい目安は、法事の香典の相場でまとめています。

中袋の裏:郵便番号・住所・氏名

中袋の裏の左下に、縦書きで郵便番号・住所・氏名を書きます。住所の番地は「一丁目二番三号」のように漢数字で書くと読みやすくなります。

表の金額と裏の住所・氏名は、遺族が香典を整理するときに確認する大切な情報です。外袋に名前を書いていても、中袋にも省略せず書いておきましょう。

横書きの記入欄がある場合

市販の中袋には、金額や住所を書く横書きの欄が印刷されているものもあります。その場合は欄に合わせて横書きにし、金額は「金10,000円」「¥10,000-」のように算用数字で書いてもかまいません。

中袋がない香典袋の場合

中袋のない袋を使う場合は、外袋の裏の左下に住所・氏名を書き、その右側(または左側)に金額を旧字体で書きます。お札は外袋に直接入れます。

薄墨と濃い墨、筆ペン・ボールペンの使い分け

法要は濃い墨が一般的、薄墨でも誤りではない

通夜や葬儀の香典は、「悲しみの涙で墨が薄まった」という気持ちを表すため、薄墨で書く習わしがあります。

一方、日程があらかじめ決まっている四十九日以降の法要では、濃い墨で書くのが一般的です。ただし、法要でも薄墨を使う地域や家庭もあり、どちらかが誤りというわけではありません。

薄墨で書いてしまった場合

法要の御仏前を薄墨で書いてしまっても、書き直す必要はありません。薄墨は弔意を表す書き方なので、失礼にあたるものではないと考えられます。気になる場合で、まだ時間に余裕があれば、新しい袋に濃い墨で書き直してもよいでしょう。

筆記具は場所によって使い分ける

書く場所向いている筆記具避けたい筆記具
外袋(表書き・名前)毛筆、筆ペンボールペン、鉛筆
中袋(金額・住所)筆ペン、黒のサインペン鉛筆

外袋は毛筆か筆ペンで書くのが一般的です。中袋は読みやすさが優先されるため、黒のサインペンで書いても問題ないとされています。ボールペンは簡易的な印象になりやすいので、外袋には使わない方が無難です。

毛筆に自信がない場合は、名前が印刷された袋や、表書き用のスタンプを使っても失礼にはあたらないとされています。

お札の入れ方と外袋の包み方

お札の向きは「肖像画を裏・下向き」が一般的

中袋にお札を入れるときは、中袋の表から見てお札の裏側(肖像画のない面)が見え、肖像画が下になる向きで入れる考え方が一般的です。「悲しみに顔を伏せる」という意味が込められているとされます。

お札が複数枚になる場合は、すべて同じ向きにそろえます。一方で、四十九日を過ぎた年忌法要は「お供え」の意味合いが強いとして、肖像画を表にしてよいとする説明もあります。向きには地域や家庭による違いもあるため、迷ったときは一般的な「裏・下向き」にそろえておくと落ち着きます。

新札は使ってよいか

葬儀の香典では、「不幸を予期して準備していた」という印象を避けるため、新札を使わないのが一般的です。

法要は日程が前もって決まっているため、新札でもかまわないとする考え方もあり、意見が分かれています。手元に新札しかない場合は、縦に一度折り目をつけてから入れると、どちらの考え方でも気にならない形になります。汚れや破れが目立つお札は避けましょう。

外袋は上側を下側に被せて閉じる

外袋(外包み)は、中袋を包んだあと、先に下側を折り上げ、最後に上側を被せて閉じます。上側が外に重なるので、裏から見ると折り返しが下を向きます。

慶事の袋は逆に「下側を上に被せる」ため、お祝い用の包み方と混同しないようにしましょう。

慶事ののし袋との違い

項目御仏前(法要)お祝いの袋
墨の色濃い墨が一般的(薄墨の地域もある)濃い墨
お札の向き肖像画を裏・下向きが一般的肖像画を表・上向き
新札避ける、または折り目をつける新札を用意する
外袋の重ね方上側を下側に被せる下側を上側に被せる

お祝いの袋の書き方は、新築祝いののし袋の書き方で紹介しています。名前の書き方や連名の並べ方は共通していますが、上の表の項目は逆になる点に注意してください。

書き損じたときの対応

修正せず、新しい袋に書き直す

表書きや名前を書き損じた場合は、修正液や二重線で直さず、新しい袋に書き直すのが一般的です。香典袋はコンビニエンスストアや100円ショップ、文具店などで手に入ります。

中袋だけを書き損じた場合は、白い無地の封筒で代用する方法もあります。

法要の直前で書き直す時間がない場合

会場に向かう途中などで書き直す時間がない場合は、小さな書き損じであれば無理に差し替えなくてもかまいません。香典に込めるのは故人を偲ぶ気持ちであり、多少の書き損じで気持ちが伝わらなくなるわけではありません。

よくある質問(FAQ)

御仏前に金額は書かなくてもよいですか?

外袋の表には金額を書きませんが、中袋の表には包んだ金額を書くのが一般的です。遺族が香典を整理する際の確認に使われるため、「金壱萬圓也」のように旧字体で書いておきましょう。

5千円や1万円はどのお札で包めばよいですか?

5千円なら5千円札1枚、1万円なら1万円札1枚のように、枚数を少なくまとめることが多いです。中袋には5千円なら「金伍阡圓也」、1万円なら「金壱萬圓也」と書きます。

御仏前のお札は裏返しに入れるのですか?

中袋の表から見てお札の裏側が見え、肖像画が下になる向きで入れる考え方が一般的です。年忌法要では表向きでよいとする説明もあるため、迷ったら裏・下向きにそろえておくと安心です。

御仏前に新札を入れてもよいですか?

法要は日程が決まっているため新札でもよいとする考え方もありますが、避ける人もいます。新札しかない場合は、一度折り目をつけてから入れると気になりにくくなります。

法要の御仏前を薄墨で書いてしまいました。書き直すべきですか?

書き直す必要はありません。四十九日以降の法要は濃い墨が一般的ですが、法要でも薄墨を使う地域や家庭があり、薄墨で書いたことが失礼にあたるわけではありません。

まとめ

御仏前の書き方は、外袋の表に「御仏前」とフルネーム、中袋の表に旧字体の金額、中袋の裏に住所と氏名、という3つを押さえれば迷いません。夫婦連名は夫のフルネームの左に妻の名、4名以上は「外一同」と別紙、代理で持参するときは「代」や「内」を添えます。

四十九日以降の法要は濃い墨が一般的ですが、薄墨で書いても誤りではありません。お札は向きをそろえて肖像画を裏・下向きにし、外袋は上側を被せて閉じます。書き損じたときは新しい袋に書き直せば十分です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次