この記事の30秒まとめ
- 餅まきは「散餅の儀(さんぺいのぎ)」が由来。
厄を祓い、福をご近所にお裾分けするお祝いの行事です。- 撒くものは紅白餅・小銭(おひねり)・お菓子が定番。
餅は個包装が基本で、お菓子で「かさまし」します。- 撒く順番は四隅餅(隅餅)が先、続いて一般の餅・お菓子・小銭。
2階や足場から庭・道路へ向かって撒きます。- 費用は規模しだいで数万円〜数十万円。
餅代だけで膨らむため、やる・やらないは早めに判断を。- 最近は省略する家が多数派。
やる場合は近所への声かけと安全対策(子ども・高齢者を前方に)が欠かせません。
家を建てるとき「餅まきってやったほうがいいの?」「やるとしたら何をどれだけ用意するの?」と迷う方は多いものです。
にぎやかで楽しい行事である一方、準備の手間と費用がそれなりにかかるため、やる・やらないの判断から、やる場合の段取りまでをこの記事でまとめて整理します。
餅まきとは?まず意味と最近の事情をおさえる

餅まきは、上棟式(棟上げ)のときに屋根や足場の上から餅や小銭を撒く行事です。
もとは「散餅の儀(散餅銭の儀)」という、家を建てることで生じる厄災を祓うための儀式が広まったもの。
撒いた餅を近所の人が拾うことで、新築の福を地域にお裾分けするという意味が込められています。
ただ、結論から言えば最近は餅まきをしない家が多数派です。
建売住宅の一般化や近所付き合いの変化で全国的に減っており、今も盛んなのは静岡県西部など一部の地域に限られます。「やらないと縁起が悪い」というものではないので、こだわりがなければ省略してもまったく問題ありません。
それでも餅まきには、ご近所への顔見せになり、子どもや地域の人に喜ばれるという良さがあります。
地域の慣習が残っている、親世代の希望がある、せっかくだからにぎやかにやりたい——そんな場合に、以下の準備を進めていきましょう。
やるか迷っている段階の方は、まず「上棟式はやらない人が増えている?省略する場合の判断基準」もあわせて読むと、全体の判断がしやすくなります。
餅まきで撒くもの一覧|定番はこの4つ
餅まきで撒くものは、地域によって少しずつ違いますが、基本は次の4つです。

| 撒くもの | 内容・目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 紅白餅 | 主役。個包装した小さめの餅 | 衛生面からラップや袋で個包装が必須。和菓子屋・餅屋に予約 |
| 四隅餅(隅餅) | 一回り大きい餅を4個 | 家の四方(東西南北)の守りを願うもの。最初に撒く特別な餅 |
| 小銭(おひねり) | 5円玉・50円玉を半紙で包む | 縁起の良い穴あき硬貨が定番。後述の「縁起の数字」を参照 |
| お菓子 | 飴・駄菓子・個包装スナック | 餅だけだとすぐ終わるため「かさまし」に。子どもに大人気 |
地域によっては、これにタオルや日用品を加えることもあります。
何を撒くかは土地の慣習で変わるので、施工会社や年配のご近所さんに一度確認しておくと安心です。
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小銭は「半紙で包む」のが基本
撒く小銭は、そのまま撒くと当たって危ないため、5円玉や50円玉を半紙やティッシュで包む(おひねりにする)のが基本です。赤い紐を通して撒く地域もあります。
穴あき硬貨が縁起物として好まれますが、安全と手間のバランスで枚数は調整しましょう。
餅・お菓子はどれくらい用意する?量と費用の目安
「どれくらい撒けばいいのか」が一番イメージしづらいところです。
注文方法によって単位が変わるので、目安を整理しておきます。
| 注文単位 | 目安の量 | 備考 |
|---|---|---|
| 個数で頼む | 紅白餅150〜350個ほど | 来場人数や撒く時間で調整 |
| 升・kgで頼む | 餅米1升(約1.5kg)〜数升 | 和菓子屋では「●升」で頼むことが多い |
| 市販の投げ餅セット | 1斗(約18kg)で約250袋〜 | 個包装済みで手間が少ない |
費用は規模しだいで幅が大きく、個包装の投げ餅セットで数万円〜、盛大にやれば餅代だけで十数万円〜数十万円かかることもあります。お菓子や小銭を加えるとさらに上乗せされます。
餅まきを含む盛大な上棟式は、総額で30万円ほどになるケースもあります。
お金の全体像は上棟式の費用は総額いくら?内訳を解説で、ご祝儀・弁当などと合わせて確認してください。
餅は2か月前には予約を。 餅まき用の餅は数を多く作るため、餅屋・和菓子屋への予約が必要です。
直前だと間に合わないことがあるので、やると決めたら早めに手配しましょう。
自作は食中毒のリスクがあるため、専門店への依頼が無難です。
小銭の金額は「365」や「末広がり」で
撒く小銭の金額は、縁起をかついで決めるのが定番です。
- 365にちなんだ金額
「1年365日、毎日幸せに暮らせるように」という願い。
365枚/3,650円/36,500円など。うるう年に合わせて「366」にする人もいます。 - 末広がりの8
「8888円」など、八の字が末広がりで縁起が良いとされる金額。 - 奇数を選ぶ
慶事では「割り切れる=縁が切れる」とされる偶数を避け、奇数でそろえる考え方があります。
金額に決まりはないので、無理のない範囲で語呂の良い数字にすれば十分です。
餅まきの順番とやり方|当日の流れ
餅まきは上棟式(四方固めなどの儀式)を終えたあと、建ち上がった家の2階や足場から、庭や道路へ向かって撒きます。撒く順番は次のとおりです。
- 声かけ・安全案内 … 集まった人へ「お子さん・お年寄りは前へ」「上を向いて拾わないで」など注意事項を伝える
- 四隅餅(隅餅)を撒く … 家の四方に向けて、まず大きい四隅餅を投げる
- 紅白餅を撒く … メインの餅を全体へ。勢いよく、まんべんなく
- お菓子・小銭を撒く … にぎやかに。終盤に向けて盛り上げる
- 締めのあいさつ … 拾ってくれたお礼を一言
施主自身も2階から撒くことが多いですが、足場の上は不慣れだと危険です。
無理せず、撒く位置や役割は棟梁・職人さんと事前に相談しておきましょう。

近所への声かけと安全対策は必須
餅まきは人が集まる行事なので、事前の声かけと当日の安全対策が何より大切です。
- 事前に近所へ通知する
日時を伝えてお誘いします。人が集まらないと寂しいので、回覧や口頭で声をかけておきましょう。 - 子ども・高齢者を前方に
餅の争奪で転倒やケガが起きやすいため、小さな子やお年寄り用に前方スペースを設けます。 - 上を向いて拾わせない
落ちてくる餅・小銭が顔に当たらないよう、足元の餅を拾うよう案内します。 - 道路にかかる場合は注意
通行や駐車の妨げにならないよう配慮し、必要なら見守り役を置きます。 - 雨天・強風時の判断
足場の上は滑りやすく危険です。悪天候なら中止・延期、またはテント下など安全な範囲に切り替えます。
近隣あいさつの言い回しに迷う場合は、上棟式の挨拶文例集もあわせて参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
まとめ
上棟式の餅まきは、厄を祓い、新築の福をご近所にお裾分けするにぎやかなお祝いです。
撒くものは紅白餅・四隅餅・小銭(おひねり)・お菓子が定番で、四隅餅から先に撒くのが基本の流れ。
費用は規模しだいで数万円〜数十万円と幅があり、餅は早めの予約が必要です。
一方で、最近は省略する家が多数派で、やらなくても問題はありません。
やると決めたら、近所への声かけと、子ども・高齢者を前方にするなどの安全対策を忘れずに。
ご家族や施工会社と相談しながら、無理のない形でお祝いしてください。

