上棟式はやらない人が増えている?省略する場合の判断基準と注意点

この記事の要点(30秒まとめ)

  • 上棟式は やらない施主が増えています
    とくにハウスメーカーや大規模な分譲地では、行わないほうが多数派になりつつあります。
  • 上棟式をやらなくても、工事の進行や仕上がりに支障はありません
    建築会社のほうから「やらなくて大丈夫ですよ」と言われることも多いです。
  • ただし 「省略=何もしない」ではありません
    差し入れだけ、ご祝儀だけ、餅まきだけ、というように”いいとこ取り”の簡略版を選ぶ人も多くいます。
  • 迷ったら 地域の慣習・親世代の考え・職人さんへの感謝を形にしたいか の3点で判断すればOK。
    どちらを選んでも、後悔しなければ正解です。

「上棟式って、最近はやらない人も多いって聞くけど、本当にやらなくていいのかな……」——棟上げの日が近づくと、こんなふうに迷う施主の方は少なくありません。

やれば手間も費用もかかる、でもやらないと職人さんに失礼な気もする。
この”どっちつかず”のモヤモヤは、家を建てる多くの人が一度は通る道です。

結論から言うと、上棟式をやるかやらないかは、施主が自由に決めてよいものです。
やらないからといって縁起が悪くなるわけでも、工事が雑になるわけでもありません。

この記事では、最近の実態と「やる・やらない」の判断基準、そしてやらない場合に代わりにできることを、フラットに整理します。

目次

上棟式はやらない人が増えている?最近の実態

まず、世の中の流れから見ておきましょう。
結論として、上棟式をやらない施主は年々増えています

理由はいくつかあります。

  • ハウスメーカーでの建築が主流になった
    昔ながらの工務店と違い、ハウスメーカーは作業が分業制で、現場に「棟梁」がいないことも珍しくありません。
    式の中心となる人物がはっきりしないため、自然と省略されやすくなっています。
  • 建築会社側が”省略前提”になっている
    大手ハウスメーカーほど、安全と工程を最優先するため、式典を差し込まない運用が一般的です。
    会社のほうから「最近はやらない方がほとんどですよ」と案内されるケースも多くあります。
  • 準備の負担が大きい
    日取りの調整、人数の確認、弁当やご祝儀の手配、近隣への声かけなど、施主側の段取りが意外と多いのが上棟式。
    共働き世帯が増えるなかで、ここに手間をかけない判断は自然な流れです。
  • 都市部では地域のつながりが薄い
    近所を巻き込む餅まきのような行事も、都市部では実施しにくくなっています。

一方で、地方や昔ながらの工務店では、今でも上棟式が根強く残っている地域もあります。

とくに餅まきは地域行事として大切にされている土地もあるため、「最近はやらない」が全国どこでも当てはまるわけではない、という点は押さえておきましょう。

上棟式をやらないとどうなる?工事に影響はある?

ここが一番気になるところだと思います。

上棟式をやらなくても、工事そのものへの悪影響はありません。

上棟式は、工事の発注内容や職人さんの仕事ぶりとは切り離されたものです。
式をやらなかったからといって、手抜き工事をされる……といった心配は不要です。
職人さんはプロとして、式の有無にかかわらず仕事をしてくれます。

上棟式が持つ意味は、もともと次の2つです。

  1. 柱や梁が無事に組み上がったことを喜び、工事の安全と家の完成を祈願すること
  2. ここまで作業してくれた職人さん、とくに大工さんへ 感謝とねぎらいを伝えること

このうち1の「祈願」の部分は、神主を呼ばない略式が主流になった今では、こだわらない人が増えています。

残るのは2の「感謝を伝える」部分ですが、これは式という形をとらなくても伝えられます。
だからこそ「式はやらないけれど、感謝は別の形で」という選択が広がっているわけです。

上棟式そのものの意味や当日の流れをまず知りたい方は「上棟式とは?流れ・やること・費用まで施主の疑問をまとめて解説」をあわせてどうぞ。
全体像を押さえてから判断すると迷いが減ります。

やる・やらないの判断基準

「結局、自分はどっちにすればいいの?」という方へ。
次の表を判断材料にしてみてください。

判断のポイントやる方向に傾く場合やらない方向に傾く場合
建築会社工務店中心で棟梁がはっきりしている大手ハウスメーカー/分業制で棟梁が不在
地域の慣習地方・餅まき文化が残る土地都市部・新興住宅街・大規模分譲地
親世代の考え「家を建てるなら式は必須」という価値観とくにこだわらない
施主の気持ち職人さんへの感謝を形にして残したい手間と費用をかけたくない
段取りの余裕準備に時間を取れる共働きなどで余裕がない

すべてが一方向にそろうわけではないと思います。

いくつか当てはまるほうを選べば十分で、ひとつでも「やりたい」気持ちが強ければ、それを優先してかまいません。
逆に「正直、面倒だな」が本音なら、無理にやる必要はないということです。

ひとつ知っておきたいのは、上棟式は本来 施主が職人さんをもてなす(接待する)行事だということ。
そのため「上棟式はやった方がいいですか?」と施工会社に聞くと、厳密には「私たちは職人さんを接待しなくて大丈夫ですか?」と尋ねる形になってしまいます。

やりたい場合は、相談というより「ぜひやりたいので準備したい」と意思を伝えるほうがスムーズです。

やらない場合に代わりにできること

上棟式をやらないと決めても、「感謝の気持ちだけは伝えたい」という人は多いはずです。

ここで覚えておきたいのが、省略=ゼロではないということ。
式の要素を分解して、できる範囲だけ取り入れる”いいとこ取り”が可能です。

代わりにできることを、手軽な順に並べてみます。

  • 差し入れだけする
    一番ハードルが低い方法です。棟上げの日に現場へ顔を出し、お茶・コーヒー・お菓子などを差し入れます。
    夏は冷たい飲み物、冬は温かい飲み物が喜ばれます。費用も数百円〜数千円ほどで済みます。
  • 見学に行って挨拶だけする
    たった1日で屋根まで組み上がる棟上げは、見ているだけでも感動します。
    現場監督や大工さんに「ありがとうございます。よろしくお願いします」と直接ひとこと伝えるだけでも、十分に気持ちは伝わります。
  • 手土産(持ち帰り用)を渡す
    紅白まんじゅう・お赤飯・個包装のお菓子など、その場で食べなくても持ち帰れるものを人数分用意します。
  • ご祝儀だけ渡す
    式はやらないけれど棟梁・職人さんにご祝儀だけ、というケースも増えています。
    相場は 棟梁が1万〜3万円、大工さん・職人さんが3千〜1万円 が目安。
    ただし渡す人数が多いと総額がかさむので、予算と相談して決めましょう。
  • 餅まきだけ行う
    式典は省くけれど、近所を巻き込む餅まきだけはやる、という選択もあります。
    地域行事として喜ばれる土地なら検討の価値ありです。

差し入れや手土産で具体的に何を選べばいいか迷う方は「上棟式の弁当・差し入れは何がいい?相場とおすすめ・渡し方を解説」、ご祝儀の金額や渡し方は「上棟式のご祝儀相場はいくら?棟梁・大工さんへの金額目安を解説」、餅まきの段取りは「上棟式の餅まきのやり方と準備|撒くもの・順番・費用の目安を解説」をどうぞ。
やらない場合でも、これらの記事の中から”やる部分”だけ拾えます。

差し入れやご祝儀の金額は、地域や建築会社の方針で変わります。
まずは担当者に「皆さん、どうされていますか?」と聞いてみるのが確実です。

やらないと決めたときの注意点

最後に、後悔しないために押さえておきたい点を3つ。

  1. 建築会社に一度は確認する
    会社や地域によっては、簡単な棟札(むなふだ)の取り付けなど”最小限の儀”を行うこともあります。
    何もしなくていいのか、当日施主が立ち会うべき場面はあるのか、念のため確認しておくと安心です。
  2. 親世代との温度差に注意
    自分たちは「やらない」で納得していても、親や祖父母世代が「式は必須」と考えていることがあります。
    後から話が大きくなりがちなので、事前にひとこと共有しておくと角が立ちません。
  3. “何もしなかった後悔”を避ける
    実際に棟上げを見て「素晴らしい仕事ぶりに、何かお礼したかった」と後から思う人もいます。
    式はやらなくても、飲み物の差し入れひとつ用意しておくと、自分の気持ちの面でもすっきりします。

地鎮祭でも同じように「やらない」という選択が増えています。

家を建てる前の儀式についても迷っている方は「地鎮祭はやらないとどうなる?必要性と最近増える「省略」の判断基準」もあわせて読むと、家づくり全体の儀式の考え方が整理できます。

よくある質問(FAQ)

上棟式をやらないのは、職人さんに失礼ですか?

失礼にはあたりません。最近はやらない施主が多数派で、職人さんも慣れています。
気になる場合は、飲み物やお菓子の差し入れだけでも十分に気持ちは伝わります。

ハウスメーカーで建てる場合、上棟式はやらなくていい?

ハウスメーカーは分業制で棟梁が不在のことも多く、やらないのが一般的です。
会社のほうから省略を案内されることもあります。やりたい場合は早めに「やりたい」と意思を伝えましょう。

上棟式をやらないと、ご祝儀も渡さなくていいですか?

渡さなくても問題ありません。ただし「ご祝儀だけは渡したい」という人もいます。
その場合の相場は棟梁1万〜3万円、職人さん3千〜1万円が目安です。

餅まきだけやることはできますか?

できます。式典は省いて餅まきだけ、という選択も実際にあります。
近所への声かけや安全面の配慮が必要なので、地域の慣習も含めて検討しましょう。

やらない場合、上棟の日に施主は現場へ行かなくてもいい?

必ず行く必要はありませんが、見学して職人さんに直接ひとこと挨拶すると、感謝が伝わって気持ちよく節目を迎えられます。差し入れを持って顔を出す人も多いです。

まとめ

上棟式は、やらない施主が増えているのが今の実態です。

とくにハウスメーカーや都市部では、行わないほうが多数派になりつつあります。
やらなくても 工事の進行や仕上がりには影響しません

大切なのは、「やる・やらない」の二択で考えすぎないこと。
差し入れだけ・ご祝儀だけ・餅まきだけといった簡略版も立派な選択肢です。

地域の慣習・親世代の考え・職人さんへの感謝を形にしたいか、この3点を物差しにして、自分たちに合った形を選べば大丈夫。どちらを選んでも、納得できていればそれが正解です。

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